Aさん:寝言はクラシック音楽でワイン通の常連様。
店主:三度の飯より初恋よりクラシック音楽。
店主:普段はあまりに浅いクラシック音楽の事ばかりです。
ですから今回はアクセルを少しだけ踏んでお話をしましょう。
Aさん:いいね・・・。
いつもは挨拶程度だからね、まじしましょう。
ピノさんはフルトヴェングラーを尊敬している。
彼は有名な考古学者を父に持ち英才教育を受けた。
個人教師の名は後世に名を残した人も含まれる。
その環境があの天才指揮者を生んだ。
そう思う・・・?
店主:そうだと思います。
幼い頃から歴史的な遺物に接した事も多大。
そしてやはり人生の充実期に起った第二次世界大戦。
これは彼の音楽に陰影を与えた。
宣伝大臣ゲッペルスの日記に登場するフルトヴェングラー。
ユダヤ人や友人の為に奔走する姿。
しかも自分の事を頼みに来た事はないと記述。
しかし彼はヒトラー&ゲッペルスに最大に利用される。
直言はゲシュタポに狙われる事となります。
特にハインリヒ・ヒムラーは執念深かった。
悪名高き男で親衛隊やゲシュタポを率いた人物です。
そのヒムラーが大戦末期に逮捕を命令します。
Aさん:大戦末期の録音が断片で現存するね。
ブラ1の終楽章・・・。
あれはド迫力・・・。
やはり背負う重さが響いている。
店主:私は戦後、1951年10月27日のライブ録音が愛聴盤。
終楽章は旋律が有機的で圧巻。
しかし交響曲第4番 ホ短調の録音が少ない。
しかも音質が悪いです。
フルトヴェングラーのブラームスは絶品ですから残念。
Aさん:ブラームスのドッペルコンチェルトもいい。
オイストラフとロストロポーヴィチの銘盤もありますが・・・。
それ以上にボスコフスキーとブラベッツは相性抜群。
またフルトヴェングラーらしい演奏ですね。
店主:ドイツ・リートもいいです。
シュヴァルツコップのソプラノ。
ピアノはフルトヴェングラーでヴォルフ歌曲。
フルトヴェングラー指揮で第九やドイツ・レクイエムでも彼女を採用。
シュヴァルツコップはカラヤンにも気に入られシュトラウスのばらの騎士で侯爵夫人を演じています。
彼女の傑作はシュトラウスの4つの最後の歌です。
あの傑作はリヒャルト・シュトラウスの最晩年の傑作。
シュトラウスもフルトヴェングラーと同じくナチスに人生を翻弄された。
息子の嫁がユダヤ人でしたからナチスに睨まれた。
連合国の兵士がシュトラウスの住まいに飛び込んできた時に、私を知っていますか・・・ばらの騎士の作曲家です。と小声で言った。
あの天才にしては悲しい逸話です。
Aさん:作品は作曲家の時代や精神状態を知るとより楽しい。
私達先輩方の苦労の賜物だからね・・・・。
今日はレコードで4つの最後の歌を鑑賞だ。
2019年6月9日
最終更新日:2019-06-09