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春祭とネッビオーロの夕べ

春祭とネッビオーロの夕べ



当店店主はワインとクラシック音楽の辞典。

長い経験から蓄積された知識はもはや辞典人間化。

そんな辞典人間の私のおすすめ・・・。




昨日はストラヴィンスキーの傑作。

春の祭典イタリアワインの夕べ。



イーゴリー・ストラヴィンスキー。

多面性ある作曲家である。

所謂、カメレオン作曲家・・・。

作風や様式を器用に変容させた。

しかしそれは仕方がない事である。
ロマン派が終わりそれに続く作品・・・。

ワーグナーが楽劇トリスタンとイゾルデでトリスタン和音により次時代の道しるべを占めす。

これは余談だが、ベートーヴェンの交響曲の方程式が、ショスタコーヴィチなど後世の作曲家に影響を与えたのと同じでワーグナーの革新はドビュッシーの牧神の午後への前奏曲に結びつく。

この様な背景で作曲家は自身のスタイルに迷いながらもがいていた。

そんな途上で革新的な作曲家が多く誕生した。

ドビュッシー、シェーンベルク、ベルク、レスピーギ、バルトークはその代表だ。

彼らは独自のスタイルを確立し現在では尊敬されている。



脱線しているので本線へ・・・。

天才ストラヴィンスキーの春の祭典。

初演でシャンゼリゼ劇場の聴衆は右往左往の大騒ぎ。
こうしてクラシック音楽史上の名曲は評価が分かれた。

耳の肥えたパリの聴衆でも理解に苦しみ、判断力あるにも関わらず評価が出来ずに騒いだ。

喧嘩もあったと伝えられる程に大騒ぎになった革新的名曲。
私は小学生の時にこの作品を初めて鑑賞。

身近なベートーヴェンと比べその異端さに驚愕した。



初演をしたピエール・モントゥーが後に録音した音源。

それは私の宝物です。

霞がかかる鈍よりした雰囲気。

近年のシャープなスタイルとは随分違う。

しかし、この演奏は決定的だ!!



ワインは私が愛するイタリアワイン。

ネッビオーロの妖艶さは圧巻である。

飲み手を素直に納得させるサンドローネ。




★ 2011 ネッビオーロ ダルバ ヴァルマッジオーレ



栄光の歴史はそう古くはない。

しかし、その卓越した表現力は素晴らしい。

ヴァルマッジオーレはロエロのクリュ。

バローロに比べ果実味がストレート。

バローロに比べ格下扱いだが楽しみ方が違う。

色調、香り、味わいとも胸に迫る秀品。

素晴らしいバランスで美感マニアの私としては満足。



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因みにロエロもいい。


怖れずに言う!!

評価が高いのはアルネイスの方かもしれない。

何故かって、それはロエロの赤はバローロと比較される。

しかしアルネイスと対比するワインは同州にはない。

そんな貴重な品種がアルネイスである。

アルネイスは押し付けがましくなく自然体。

とても上品なワインですから一度は飲んで頂きたい。



2019年4月7日

静岡県 藤枝市 ワイン専門店

最終更新日:2019-04-07