トップ > Pick up > チェロ・コンサートを楽しむ。

チェロ・コンサートを楽しむ。

チェロ・コンサートを楽しむ。



当店店主はワインとクラシック音楽に造詣が深い。

そんな私の楽しみは鑑賞・・・。






浜松アクトシティ中ホールでのコンサート。

チェロ弾きの鬼才ミーシャ・マイスキー。

チェロの旧約聖書と言われるバッハの無伴奏チェロ組曲。

私が長年愛している作品、素晴らしかった・・・。

自分を内観したい時に鑑賞する必須作品。

言いたい!!言わせてくれ!!

難しいという心の垣根を取り払い聴いて欲しい。

これはバッハが後世に贈る偉大な偉大な作品です。



私はヴァイオリンを習う前はカザルスに憧れていたのでチェロを習いたかった。

しかし当時、田舎ではチェロの先生は身近にいなかった。



カザルス、ロストロポービッチ、フルニエ、マイスキーは名手である。

勿論、彼らをレコードで、それこそ擦り切れる程聴いた。

擦り切れるはもう死語に近い・・・。

今回、マイスキーだけは生で接する事ができ感動である。



一流の演奏家とは?

そんな疑問を解決してくれる演奏でした。

彼も70歳と演奏家としては味わいが出る。

テクニック以上に何かを感じる・・・。

鑑賞しながら、何かと考えた。

本人のカリスマ性、作品への愛情と洞察など多面である。



そして娘のリリーがピアノでショスタコーヴィチのチェロ・ソナタニ短調。

私が頻繁に鑑賞する作曲家である。

彼特有の皮肉さも感じながらの匙加減。

ソ連の独裁下で心得たものである。

チェロとピアノが激しく対峙したり協調したりと飽きさせない作品。



そして最後にチャイコフスキー。

長男のサーシャのヴァイオリンも加わり三重奏・・・。

有名な「偉大な芸術家の思い出に」。

正直、これが一番演奏が良かった。

特にヴァイオリンのサーシャは凄かった。

チャイコは大袈裟に表現されやすい。

しかし過度は表現は下品になる・・・。

その点を考慮し美音を響かせていた。



それにしても浜松は耳の肥えた聴衆がいる。

私の席の後ろではショスタコらしいね。

パールマンがこうでとか・・・。

席前ではマイスキー聴くのは数十年ぶりとか。

クラシック音楽斜陽の時代、愛好家がいて嬉しかった。

悲しいのは中学生や高校生らしい年齢が皆無であった。

やはりチェロは難しいと思われたのか・・・。

私の経験では、思春期程音楽を必要としている。

良き演奏に出会い今後の素晴らしい人生に役立てて欲しい。



2018年9月8日

静岡県 藤枝市 ワイン専門店

最終更新日:2018-09-08