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対談:最近のクラシック音楽

対談:最近のクラシック音楽



Aさん:当店常連様ワインとクラシック音楽好き。

店主:若い頃ヴァイオリンを習い志した。通称ピノさん。






店主:ブラームスいいですね。

若い頃は第1番をよく鑑賞しました。

しかし最近は第4番です。

エネルギッシュな第1番は負担が掛かる。

中年になると自然に鑑賞できる第4番がいい。

Aさん:わかるわかる。

ですから第2番も聴く頻度が上がる。

店主:録音もたくさんあり研究材料は豊富。

Aさん:ピノさんにとっては研究なんだね。

店主:ハハハ・・・。

クレンペラーの構造物。

哲学を帯びた第4番。

熱狂する演奏ではありませんが・・・。

Aさん:難しい表現だよね。

その点、ストコフスキーが好きです。

店主:彼は長寿でしたよね。

土台はヨーロッパですがアメリカ的。

Aさん:アメリカに渡り大活躍した名指揮者。

アレンジを施し聴きやすくした。

店主:パティをバンズで挟んでハンバーガー。

言い過ぎかもしれないがそんな手法。

ですが、これがアメリカ人には受けた。

一例はバッハをより大衆的に施した。

敬遠しがちは崇高なバッハをハンバーガーに仕立てた技。

これには参りました・・・。

またブラームスもレパートリーの一つ。

最後に指揮した第4番。

年齢を感じさせない。

第1楽章後に思わず拍手が入るからね。

感動的・・・。

Aさん:最近の演奏はつまらん。

店主:個性あるスター不在です。

カラヤン、バーンスタイン後の世界。

クラシック音楽を牽引するスターの長期不在。

Aさん:そうです。

店主:見渡せば、 酷似してきたオーケストラ。

ベルリン・フィルだって、人種、性別が様々。

これでは地域色が表現できないよね。

冷戦時、東のオケが来日すると、雰囲気が醸されていた。

オケが「音」を既に持っていた。

それを上手に引き出すのが指揮者の役割だった。

Aさん:カラヤンがウィーン・フィルを指揮する。

するとウィーン・フィルの音色が変わる。

店主:そうです。

フルトヴェングラーがベルリン・フィルを指揮するとあの独自の音色になる。

残念ながら自身の響きを自身で失わさせたオケは最大の武器を捨てた。

結果、クラシック音楽は魅力的ではなくなりました。

人生の大半をクラシック音楽を伴侶とした私は悲しい。



2017年8月6日

静岡 藤枝市 ワイン専門店ピノ ノワール

最終更新日:2017-08-06