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書籍:冷戦とクラシック

書籍:冷戦とクラシック



毎月、数多くの書籍を乱読する私。

タイトルから興味が沸く場合や趣味から派生して購入する場合。

また、暇潰しに購入する場合と様々です。

そんな乱読人間の私が、ご推薦する書籍は音楽と政治。






面白い書籍は飯も食わず・・・。

寝もせずに熟読・・・。

そんな内容です。



第二次世界大戦後の音楽界と政治の動き。



フルトヴェングラー亡き後のカラヤンの動向。

またソ連の音楽家や作家の置かれた立場。

それらを政治と絡めている。

国の威信をかけて行われたチャイコフスキー・コンクール。

ポーランドもまた同じ目的でショパン・コンクールを開催。

自国に有利な採点をしたくても信念ある一部の審査員により拒絶。



またジダーノフ批判に晒されたショスタコーヴィチ。

彼は本心を隠しつつ作曲活動をする。・・・。

本心を出せば断崖され、運が悪ければ生命も奪われる。




共産圏から亡命する芸術家。

しかし留まり活動する人もいる。

私が尊敬するムラヴィンスキー。

彼は断固とした態度を表明しながら自国で活動。

また親日家としても知られる。

シベリア鉄道で訪日し精密で完璧な響きで聴衆を魅了した。



また資本主義のリーダーである米国にも注目。

ニクソンやケネディーの政治を追いながら若き指揮者バーンスタインの活動も追う。

平和を愛したバーンスタイン。

世界に動きがあった時は彼は迷わず指揮をする。

それが、友情関係であったケネディーと避けられない軋轢を生む。

それは、ソ連に対抗する為に核実験を再開した事であった。



現在の世界の情勢にも通じる書籍である。



★ 冷戦とクラシック

  中川右介 著

  NHK出版新書

おすすめ度:★★★★★



詳細は【クリック】2017年8月1日

静岡県藤枝市 ワイン専門店ピノ ノワール

最終更新日:2017-08-01