グレン・グールドを聴く。
それは、難しい事ではない。
ことグールドに関しては「クラシック音楽を鑑賞する」なんて重い気持ちはいらない。
単にグールドを聴くで許されるのがグールドなのである。
古典的なバッハでなく軽快なタッチからゴールドベルク変奏曲は弾かれる。
リズムはモダン、表現はバランスよく且つわかりやすい。
これならクラシック音楽の領域からは出ている、と言っても言い過ぎではない。
ポップスの歌手と共演しても違和感のない表現。
それが、現代人の我々に受け入れられる理由かな。
そして、数々の奇人伝説。
四半世紀も前なのに、すでにミネラルウォーターを飲み。
夏でもコート。
演奏するイス彼専用のとても低いイス。 まるで小学生用かと思ってしまう。
私はカナダ大使館で行われたグールド展で、このイスを見ました。
さすがに、グールドは故人でしたから、感慨深かった。
彼専用のイスは完全に遺品と化していたからだ。
なおなお、奇人話を続けます。
ピアノを弾きながら口ずさむ声はダミ声。
おまけに「コンサートは死んだ」と聴衆の前のコンサートを拒否。
湖でバス釣りをしているのを見て、魚がかわいそうだとボートで邪魔をする。
それでも、それでも彼が好きだ。
それでも、それでも彼のバッハは素晴らしい。
グールドが演奏した作品は数多い。
様々な音源、映像、書籍などで我々を楽しませてくれる。
しかし、その豊富さが時に迷子にもなる。
ですから完全ディスクガイドは必需品である。
★ グレン グールド 完全ディスコガイド
河出書房新社
一度、バッハのパルティータをお聴きなさい。
わかりやすいバッハで現代の我々の生活リズムに合う心地良さ。グールド最高!!
難しい作品を誰が鑑賞してもわかりやすく奏でる。
初めて、村上春樹さんの著書を読んだ時の感覚もそうでした。
2014年4月10日